公開日:2025年3月11日
最終更新日:2026年5月25日
「骨盤底筋」と聞くと、尿もれ対策や産後のケアを思い浮かべる方が多いかもしれません。
でも実は、骨盤底筋は腰痛とも関係があります。
腰痛というと、腰の筋肉や骨盤のゆがみ、姿勢の悪さをイメージしやすいですよね。
もちろんそれらも大切ですが、体を内側から支える力がうまく働いていないことで、腰に負担がかかっていることもあります。

その内側から支える力に関係しているのが、腹腔内圧です。
少し難しい言葉ですが、簡単にいうと「お腹の中の圧力で体幹を安定させる力」のことです。
この腹腔内圧を下から支えているのが、骨盤底筋です。
今回は、骨盤底筋と腰痛の関係、自宅でできる簡単なトレーニングについて、できるだけわかりやすくお話ししていきます。
骨盤底筋は、骨盤の底にある筋肉の集まりです。
骨盤の下にハンモックのように広がっていて、膀胱や直腸、女性であれば子宮などを下から支えています。
ただ、骨盤底筋の役割はそれだけではありません。
実は、骨盤底筋は体幹を安定させるためにも大切な筋肉です。
腰まわりは、立つ、歩く、座る、かがむ、物を持つなど、日常生活のいろいろな動きで使われます。
この時、体幹がうまく安定していれば、腰だけに負担が集中しにくくなります。
反対に、骨盤底筋やお腹まわりの支えが弱くなると、腰の筋肉が頑張りすぎてしまうことがあります。
その結果、腰が張る、重だるい、立ち上がる時に不安定、同じ姿勢がつらい、といった腰痛につながることがあります。
腹腔内圧とは、お腹の中にかかる圧力のことです。
イメージとしては、体の中にある「天然のコルセット」のようなものです。
重い物を持ち上げる時、自然とお腹に力が入りますよね。
あれは、お腹の中の圧力を高めて、腰を守ろうとしている反応です。
この腹腔内圧に関係する筋肉には、
横隔膜
腹横筋
多裂筋
骨盤底筋
などがあります。

横隔膜は上から、骨盤底筋は下から、腹横筋はお腹まわりをぐるっと支えます。
これらがうまく連動することで、腰が内側から安定しやすくなります。
腰痛がある方は、「腰そのもの」だけでなく、この腹腔内圧がうまく使えているかも大切なポイントになります。
腹腔内圧は、お腹の中に圧を作って腰を支える仕組みです。
でも、その圧を下から支える骨盤底筋がうまく働かないと、体幹が安定しにくくなります。
すると、本来は体全体で分散したい負担を、腰の筋肉が代わりに受け持つことになります。
腰の筋肉がいつも頑張っている状態になると、張りや重だるさ、動き始めの痛みにつながりやすくなります。
また、骨盤底筋は「弱い」だけでなく、「力が入りっぱなし」でも問題になることがあります。
骨盤底筋は、必要な時に働き、必要のない時にはゆるむことが大切です。
ずっと締めっぱなしだと、呼吸が浅くなったり、骨盤まわりが硬くなったりして、かえって腰に負担がかかることもあります。
つまり骨盤底筋は、ただ鍛えればいいというより、呼吸と一緒に自然に働かせることが大切です。
骨盤底筋トレーニングというと、「おしっこを途中で止めるように締める」という説明を見たことがある方も多いと思います。
これは骨盤底筋を感じる方法としてはわかりやすいです。
ただ、腰痛対策として考えるなら、それだけでは少し足りません。
骨盤底筋は、呼吸と一緒に動いています。
息を吸うと、横隔膜が下がり、お腹まわりがふくらみます。
その時、骨盤底筋も少し下がるように働きます。

息を吐くと、横隔膜が上がり、肋骨が締まり、骨盤底筋も自然に引き上がるように働きます。

つまり、骨盤底筋は単独でギュッと締めるよりも、呼吸と合わせて使うことが大切です。
腰痛がある方は、まず「強く鍛える」よりも、ゆっくり呼吸しながら骨盤底筋が自然に働く感覚をつかむところから始めてみましょう。
ここからは、自宅でもできる簡単なトレーニングを紹介します。
痛みが強い時や、動かして痛みが増える場合は無理に行わないでください。
まずは「気持ちよくできる範囲」で十分です。
最初におすすめしたいのは、呼吸です。
仰向けに寝て、膝を軽く立てます。
肩や首の力を抜いて、鼻からゆっくり息を吸います。
この時、お腹だけでなく、背中や腰まわりまで空気が広がるようなイメージで呼吸します。
次に、口からゆっくり息を吐きます。
息を吐きながら、下腹部が少し薄くなり、骨盤底筋が軽く引き上がるような感覚を探してみてください。
強く締めなくて大丈夫です。
「下からそっと支えられる感じ」くらいで十分です。
まずは5回ほど行ってみましょう。

ケーゲル運動は、骨盤底筋を鍛える基本的な運動です。
排尿を途中で止めるような感覚で、骨盤底筋を軽く締めます。
5秒ほど締めて、5秒ほどゆるめます。
これを5〜10回ほど繰り返します。
ポイントは、頑張りすぎないことです。
お尻やお腹に力が入りすぎたり、呼吸が止まったりすると、骨盤底筋をうまく使いにくくなります。
「締める」だけでなく、「ゆるめる」ところまで丁寧に行いましょう。

ゲーゲル運動
仰向けに寝て、膝を立てます。
息を吐きながら、お尻をゆっくり持ち上げます。
肩から膝までがまっすぐになるくらいまで上げたら、数秒キープして、ゆっくり下ろします。
この時、腰を反らせて持ち上げないように注意しましょう。
お尻と下腹部で骨盤を支えるようなイメージで行うと、腰に負担がかかりにくくなります。
5〜10回を目安に行ってみてください。

ブリッジエクササイズ
スクワットも、骨盤底筋や体幹の安定に関係する運動です。
ただし、腰痛がある方は深くしゃがむ必要はありません。
まずは浅めで大丈夫です。
足を肩幅くらいに開き、股関節を少し後ろに引くようにしてしゃがみます。
そして、息を吐きながらゆっくり立ち上がります。
立ち上がる時に、下腹部と骨盤底筋が軽く引き上がるような感覚を意識してみてください。
腰に痛みが出る場合は無理せず中止しましょう。

浅めのスクワット
骨盤底筋トレーニングで大切なのは、力みすぎないことです。
「鍛えなきゃ」と思うと、つい強く締めたくなります。
でも、強く締めれば効果が高いわけではありません。
むしろ、力を入れすぎると呼吸が止まったり、腰やお尻に余計な緊張が入ったりします。
骨盤底筋は、締めることも大事ですが、ゆるめることも同じくらい大切です。
この3つを意識してみてください。
骨盤底筋は腰痛と関係します。
ただし、腰痛の原因がすべて骨盤底筋にあるわけではありません。
股関節の硬さ、背骨の動き、姿勢、呼吸の浅さ、足の使い方など、いろいろな要素が重なって腰に負担がかかることもあります。
そのため、骨盤底筋トレーニングをしても腰痛が変わらない場合は、腰だけでなく体全体を見ていくことが大切です。
柏接骨院でも、腰痛の方をみる時は、腰だけでなく、骨盤、股関節、背骨、呼吸、立ち方や動き方まで確認します。
腰痛は、痛い場所だけに原因があるとは限りません。
「なぜ腰に負担がかかっているのか」を見ていくことが、改善や再発予防につながります。
骨盤底筋は、尿もれや産後ケアだけでなく、腰痛とも関係する筋肉です。
骨盤底筋がうまく働くと、腹腔内圧が使いやすくなり、腰を内側から支えやすくなります。
ただし、骨盤底筋は強く締めればいいわけではありません。
呼吸と一緒に、自然に働かせることが大切です。
まずは、仰向けでゆっくり呼吸するところから始めてみてください。
慣れてきたら、ケーゲル運動、ブリッジ、浅めのスクワットなどを少しずつ取り入れていくとよいでしょう。
腰痛が長引いている方や、運動をしても変化が出ない方は、骨盤底筋だけでなく、全身のバランスを確認することも大切です。
無理なくできることから始めて、腰に負担がかかりにくい体を作っていきましょう。
骨盤底筋がうまく働くことで、腹腔内圧が使いやすくなり、腰への負担を減らしやすくなります。
ただし、腰痛の原因は人によって違います。
骨盤底筋だけでなく、股関節や背骨、姿勢、呼吸なども関係するため、痛みが続く場合は一度体の状態を確認することをおすすめします。
軽い強度であれば、毎日行っても大丈夫です。
ただし、力を入れすぎたり、呼吸を止めたりしないようにしましょう。
最初は短い時間から始めて、違和感があれば無理をしないことが大切です。
痛みが強い時や、スクワットで腰痛が増える場合は無理に行わない方がよいです。
行う場合は、深くしゃがまず浅めから始めてください。
腰を反らせすぎず、股関節を使う意識で行うと負担を減らしやすくなります。
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